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低ベリリウム銅
低アルミニウム銅
CFフランジとチャンバ 0.2%BeCu alloy and Aluminium Copper alloy

特殊な不動態化処理を施すことにより、最高レベルの ガス放出特性を示します。銅合金は熱伝導率が大きく、 輻射率が小さいため、ホットバキューム(電子、イオン、 光子の飛び交う真空)での使用に特に適しています。

低ベリリウム銅合金(0.2%BeCu)


低ベリリウム銅合金(Be0.2%)は、銅の熱伝導度と低輻射の良さを

装置の一部のみをベリリウム合金に変更することでも十分に効果が得られます。 部分的な銅合金化の例は、 弊社の魔法のニップル超低ガス放出残留ガス分析計(WATMASS)3BG、 放射光施設の水冷マスクなどがあります。

低アルミニウム銅合金(9%AlCu)

低アルミニウム銅合金(Alを約9%入れた銅合金)は高耐熱性合金です。 熱伝導、低輻射率はベリリウム銅の約1/3ですが、 それでもステンレスの4倍以上あります。 特徴は大気中で600℃までの昇降温を繰り返しても、 黄金色の光沢が失われないほどの耐酸化性を持ち、硬度が全く鈍らないことです。 このため。NiPメッキも不要です(必要に応じてNiPを施す場合もあります)。

また、TIG溶接が可能ですので、 複雑な形状の真空部品を形成可能です。熱伝導良好性を生かしたKセルや、 伝導加熱ヒータなど、新しい真空部品を設計製作することが可能です。 この特長を生かした弊社の商品が、 伝導加熱式NEGポンプCHNEG、です。 ガス分析計WATMASS(WATMASS)と、 真空計3BGもこの材料で製作することが可能です。

低アルミニウム銅と低ベリリウム銅の2つの合金で形成した全真空部品は、 真空電気炉で熱処理をして表面に不動態化処理と低ガス放出化処理を行っています。 出荷時にガス放出は最小となっており、 組立直後から超高真空・極高真空を発生させることが出来ます。 一度、立ち上げたシステムは、ベーク無しでも24h以内に 10-8Pa台を、ベーク後には10-10Pa台を 容易に発生することが可能です。 (使用するポンプや装置の汚染状況によっては性能を発揮できない場合があります)。

真空熱処理による不動態化処理と低ガス放出化

高真空状態での昇温により、銅合金に溶解しているガスの脱ガスと 合金添加金属の表面拡散による酸化膜形成処理です (特許4829485号、US7091443)。
0.2%BeCu材の場合は400℃×72h, 9%AlCuの場合は約700℃×約24hを行ってます。

 

コンフラットフランジによる真空シール実績報告のある合金

合金比率(wt%) 0.2%BeCu 9%AlCu 純銅 SUS304 チタン合金 アルミ合金
密度(g/cm3) 8.75 7.9 8.93 7.93 4.5 2.7
硬さ(HB) 237 160 - 187 230 60
線膨張係数 (×10-6 17 16.3 17 17 8.4 24
熱処理上限 (℃) 400 700 - 450 500 150
熱伝導率 (W/m/K) 210 72 401 16 17 137
純銅に対する
電気伝導度(%)
60 14 100 2 2 34
伸び(%) 8 25 - 40 - -

XHV金属材料の表面処理と水素ガス放出率

誌上に発表された金属材料の表面処理と水素ガス放出率を示す。 右側の初期状態は機械加工後の表面状態を示す。 熱処理後は熱処理により表面改質後の状態、右端は誌上に掲載されている最小値 と年号を示す。チタンは窒素換算圧なので、計算により水素換算圧に一致させてある。