ニップルNEGポンプ・
シュラウドNEGポンプ
Nipple NEG Pump, Shroud NEG Pump
円筒状NEGの基本構造
円筒状金網籠を二つ重ね、その隙間に直径10mm厚さ3mmのピル状NEG素子を縦向きに多数入れたNEG集合体です。 金網円筒(SUS)の直径、高さは自由に設計可能なので、 数10L/sから1万L/s程度までの排気速度のNEGポンプを設計製作することができます。 ピル円板は縦向きに最密構造で積層されますので、円筒全面がほぼNEG面になり、 ピルを増やせれば幾らでも排気量の大きいポンプを設計することが出来ます。 NEGの活性は、内側の円筒金網表面上に立てたセラミックの電柱間に 配線したヒーター線からの輻射熱で行います。
ピル状NEGとは
Zr(70%)V(24.6%)Fe(5.4%)の三元合金の粉末をバインダー無しで圧着成形した ペレット状の多孔質のNEG素子です。 ピル1個当たりの水素に対する排気速度は1.5L/s、 窒素に対する排気速度は水素の約2/5です。 多数集めることで大排気量のポンプとなります。 大気曝露を行ってもこの排気量はほぼ維持され、繰り返して使えます 。ターボ分子ポンプで予備排気しながらNEGを450℃で30分~40分加熱し、 室温まで下げることにより、排気能力が発揮されます。 一度活性化すれば、室温で一切のエネルギー無しで、無振動、無騒音、荷電粒子の 擾乱等も無い状態でXHVを発生させ、維持することができます。 全電源喪失が起こっても圧力は維持され、装置が暴走する心配がありません。
ニップルNEGポンプのフランジ経と通過口径、全長と排気速度の目安
CFフランジサイズ | 070 | 114 | 152 | 203 | 253 | 305 |
通過口径 φ(mm) | 12 | 32 | 62 | 110 | 160 | 210 |
全長(面間距離) L(mm) |
70 | 90 | 104 | 200 | 250 | 300 |
H2排気速度 | 60 | 160 | 350 | 1000 | 1800 | 3000 |
※2 窒素に対する排気速度は水素の約2/5です。
※3 排気速度は(1.5L/s)×(ピル数) の概算です。
シュラウドNEGポンプ
真空チャンバー全面をNEGで覆う新しい考えの排気システムです。
チャンバー全面を二重金網に入れたNEG集合体で覆うことができますので、
数1000L/s以上の排気速度のNEGシステム化が可能です。MBE装置、表面分析装置などに適してます。
NEGシュラウドに穴を開け、イオンビーム、電子ビーム、レーザー光等を照射したり、 搬送系のフォークによるサンプルの出し入れなど、お客様のニーズに合わせた今までに無い設計が可能です。