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銅合金製超高・
極高真空排気システム Copper alloy Extreme-High Vacuum system

弊社が開発した銅合金、真空ポンプ、真空計などで 構成した 超高真空・極高真空排気システムです。

真空計や質量分析計を動作させながらでも24h以内に 10-10Pa台の真空が得られます。

システムはすべて弊社の独自製品で構成されています。

小型の極高真空封止システムや部分的な装置の低ガス放出化などにご活用ください。
一般的なSIPやNEG、TMPと組み合わせた場合のご提案もさせていただきます。
これらのシステムは、標準品のキュービックやニップルを用いれば、 比較的安価にご提供可能です。

1.小型TMPとCHNEGの組み合わせのご提案
2.卓上封止システムのご提案
3.Q-massも付いたフルセットのご紹介

   封止システムの典型的排気曲線 (解説、実験結果のまとめ)


1.小型TMPとCHNEGの組み合わせ

到達真空1~2×10-8Paとカタログ表示されているTMPでも、 弊社の銅合金部品(キュービック、ニップル、ブランク)と、 CHNEG(チネグ)ポンプをTMPに接続すると10-10Pa台の 極高真空を発生できます。

弊社の銅合金でチャンバーを構成すると、 真空計などからのガス放出を大幅に低減できます。 到達真空10-8Paと記載されたTMPの多くで、 10-9Pa台の環境が得られます。 (原理は魔法のニップルのページをご確認ください) TMPが10-8Pa以下に下がらない多くの理由は、 チャンバーがステンレス製の場合、熱陰極真空計などから発生する熱で、 チャンバーの温度が上がりガス放出が大きくなっているケースが多いです。

さらに、10-10Paを得る場合はCHNEGポンプを併用します。 弊社のCHNEGはNEGポンプの水素ガス放出を従来のNEGポンプの1/10以下まで減らしたポンプです。

NEGポンプは原理的にArとHeなど不活性ガスを排気できないため、バルブを完全にクローズすると、 10-8Pa程度まで圧力が上昇します。  → 参考:解説、実験結果のまとめ


このArとHeをバルブやオリフィスを介してTMPでを排気することで10-10Paを得ます。

CHNEGのNEGピルは400円/1個と非常に安価で部品の再利用性やメンテナンス性を考慮すると 10-10Paを得る方法としては、現在、最も実用的なシステムと言えます。

2.卓上10-10Pa 封止システム

あなたのデスクに、10-10Paの排気システムが簡単にセットできます。
本システムは、観察ポートを外して大気を導入し、サンプル交換などを行っても、 一般的な小型のターボ分子ポンプで予備排気を4~5時間(ベークを含む)行えば、 10-10Pa台の極高真空に到達します。ターボ分子ポンプを切り離した本システムは、 10kg程度で容易に持ち運びができます。 キュービックやニップルは在庫製品ですので、 比較的安価にご提供可能です。

3.Q-massも付いたフルセットでの実験結果

弊社製(茶色で示した部分)の銅合金製真空部品で構成した 完全封じ切り極高真空排気システム(容積4L)の排気特性です (バルブだけがSUS製)。 大気圧より小型ターボ分子ポンプとダイヤフラムポンプで排気を開始し、 3h後に250℃×5h(昇温に3h)のベークを行い、 ベーク切断直後にCHNEGの活性500℃×1h, NEGサポートポンプ(エントラップメントポンプ) の活性を10min行った後、バルブを閉じ、そのまま室温に放置したところ、 排気開始から24h以内に10-10Pa台に到達しました。


解説:封止システムにおけるNEGサポートポンプの役割
    (エントラップメントポンプの役割)

NEGポンプを用いた封止切システムの場合は、どうしてもHeとArガスが蓄積され、 到達真空が悪化します。 この二つのガスを排気するためのポンプが NEGサポートポンプ(エントラップメントポンプ) です。 従来はこの役目をスパッターイオンポンプで行うのが一般的でした。 しかし、HeとArガスの量は非常に僅かで、 大きく重いスパッターイオンポンプは必要はありません。 それよりは、確実にHeとArを排気し、自己ガス放出が小さいことが重要です。
NEGサポートポンプ(エントラップメントポンプ)は、 ポンプスタート前に、カソードを短時間1000℃に加熱し、 脱ガスを行ってから排気を開始します。 このため、従来のイオンポンプの様にXHVに到達してからのガス源にはなりません。 次に示した残留ガス成分のトレンドは、 弊社のエントラップメントを動作させた場合とそれをオフにした場合を示したグラフです。